ぐるりな訪問看護師もいいもんだ

人生に関わる仕事はおもしろい

蒼穹の…昴⁉

※お食事中のかたはご遠慮下さいm(__)m 山田さん(仮名)はパーキンソン病でした。 ついでに排尿障害があって お小水(尿)の管を常時付けていました。 奥さんと一軒家に二人暮らし(実はもう一人いる) で、元時計の調製士でした。 白髪で色白で小さくて物静かで(…

グループホームの報酬はすいとん

これもずいぶん昔の話。 早朝からグループホームでの看取り対応でした。 このグループホームで看取られるかたは、連携してきた10年弱で何人目かなぁ。 施設長やスタッフの交替も沢山あったけど いつも介護職の気持ちの熱さのようなものを感じる。 一生懸命な…

高齢者の色気

黄泉の国からお戻りの 齢(よわい)90のじいちゃんに 「愛してるよ♡」 と手にキスされた。 いやもう…色気のある人って年齢関係ないなぁ(  ̄ー ̄) ムンムンだだ漏れな色気を垂れ流し デイサービスの空間が若干ピンク色に染まってる感じがする。 で、男性の場合。 …

サウナなお宅で訪問看護

とある夏の記憶。 今季最高新記録な室温のお宅訪問。 先週末、初回訪問時も気温上がりつつあってコバエが大量発生していたので 「こりゃ危険だ」と薄々思っていたけど、予想以上の上昇っぷりでした。 古いけどマンションで気密性良好。 最上階のため天井部も…

プロかもしんない

数年前。 とある小さな施設で働いていた頃のお話。 最近、職場(サ高住)で虫が出る。 「ゴ」とか「ゲ」とか「コ」とか「バ」とか、あと見たことない奴とか。 地球外生命体(昆虫)は大の苦手だ。 もうあれだ、 理解の範囲を超越している。 「外側が硬い」っつーのがもう………

看護学生という苦行

看護師になりたくてなったわけでも無かった。 何となく候補には上がっていたような気もするけど、憧れもなければ現実味もなかった。 いつの間にか(なるんだろうな)と思うようになり、選択を迫られる頃には他に進路が思い付かなかった。 お金もなかったし、選…

「仕方がない」ということ

とある人と「看取り」や「死の喪失感」について、とりとめのない話をしていた。 そこで、ふと感じた。 戦中戦後、いやもっと前から。 医療も今ほど技術が無かったころ。 肺炎やはしかや栄養失調や… 幼子はそんなものでも、死へ繋がっていた。 大人も、危険は身近…

Pendulum:振り子

人は振り子のように 過去と未来を往き来する まだ見ぬ未来を思っては 起こっていない問題を 想像し 不安を抱き 過去に想いを馳せては 選ばなかった道を想い 後悔に苦しむ 過去の体験を 未来に生かそうと 試行錯誤し 未来の可能性を 過去のものさしではかる …

障害受容って結局なんなんだ⁉

今日は仕事の話から離れて、ちょっと箸休め。 息子が言葉を失ったのは1歳を少し過ぎた頃。 産まれたときも大きめだった息子は恐ろしい勢いで大きく(太く)なり、4ヶ月にして「母乳は控えろ」と医師に忠告され、ミルクも薄めて飲ませたにもかかわらず生後6ヶ月…

100歳:人生における先生

訪問するとベランダで布団を取り込んでいる。 「格闘していましたよ(笑)」と。 ベランダに干してあるミカンの皮。 埃を取ってからネットに入れて入浴剤にするそう。 「昔から1番風呂が嫌いでね。 12も離れた兄が入ったあとが、お湯が柔らかくて好きだったの…

後悔と学び

昔、心から「申し訳ない」と思う出来事がありました。 生活保護で一人暮らしをしていた男性のSさん。 肝臓癌末期。 腹水でお腹が腫れ上がったことと、だるさが強いために外出するのがままならなくなってしまいました。 それまではヘルパーさんが付き添って近…

その視線の先に見ているものは?

急激に貧血が進み、みるみる体調が落ちていった大正生まれの男性。 2回輸血を繰り返し、輸血直後はそこそこ体力が戻るんだけど日を追うごとに貧血は進み、全身真っ白。 本人も家族も納得の上、時の流れに身を任せ自宅で最期までゆっくりしましょうということ…

退院前カンファレンス

昔、がん末期のかたが退院するからと、病院から依頼を受けた事があった。 本当はもう一手、治療選択ができるのだけれど本人が食べないので状態が良くない。 家に帰れば食べるようになるかもしれない。 だから家に帰って食べて、状態が良くなったら(体力がつ…

Social determinants of health〜健康の社会的決定要因

数年前まで自転車で訪問に回っていた私は、公園で昼ごはんを食べることが多かった。 仕事の合間。訪問エリア内の公園。だいたい4ヶ所。 雪の積もった日や、炎天下でも。 30分弱の時間。 植物を眺めたり、鳥を観察したり。 色んなものが見えた。 お昼時に公園…

子供の力には到底勝てない

緊急callで呼ばれて、就学前の息子を連れて訪問に行ったことが何度かあります。 当時の息子は私がいないと留守番出来ず泣き叫ぶことが多く、連れていけそうな訪問には同行させていました。初めは自転車を押して(子乗せチャリはさすがにない)行くこともあって…

おんかぁかぁかびさんまいえいそわか

いつも椅子で居眠りしてる 「行こうか」 気温にあわせて上着をはおり季節と気分で帽子を選ぶ 机の上の鍵をポケットに入れ「お賽銭は?」と声をかけると財布を探す 小さな玄関で靴を選び靴べらを使ってゆっくりと履く段差に気を付けながら玄関を出てゆっくり…

患者におんぶされている訪問看護

頚髄損傷の女性。 高齢者だけど、とても若々しい雰囲気を持つ彼女。四肢麻痺があっても自立心がとても高く、出来ることは自分で。工夫に工夫を重ね、今の生活がある。 長い間、重度の褥瘡(床ずれ)との戦いがあってようやく最近ゴールが見えてきた所。毎日看…

愛が溢れる空間

訪問看護1年目。 気管切開をしていて声が出せない人のために作られた、スピーチカニューレという器具を使っているおじいちゃんのお宅に訪問をしていた。ふさふさの白髪にモジャモジャの白髭。ずんぐりむっくりした大きな体。腰を曲げてゆっくり歩く。らくだ…

みんな誰かのぐるり

訪問看護師になって20年くらいが、いつの間にか過ぎてしまいました。 ついこの前始めた気分ではあるのですが、そういやあの時はまだ独身だった(笑) そういや娘は成人してるわ(笑) そんな呑気なぐるりさんですが、10年以上前からとても気に入っている言葉があ…

地獄の計画書・報告書

医療保険や介護保険から利用料のほぼ7〜9割を頂いている社会福祉事業の一翼である私達のようなお仕事では、書類業務がたぁ〜んとあります。税金から給料の多くが支払われているのだから、まぁ当然っちゃぁ当然なんです。義務のようなものですね。細かいこと…

生活ってそんなに単純なものじゃない

短期記憶がかなり低下している独居の女性。 ヘルパー訪問も内服も忘れちゃうからと、訪問看護が導入された。 本人は「どうして?何も困っていませんよ?」風味。 とても若く見えるかたで、初めてお会いするときはご家族の方だと思い (え~っと…ご本人はどこ…

ひらめいた‼逆ショート⁉

もう数年前のひらめきですが、未だに色褪せないおもしろアイデアがあります。 それは、とある勉強会に参加した帰りのことでした。 「超高齢社会を明るい未来にするために」 そんなお題の勉強会でした。 面白かったのは覚えているけど、内容はさっぱり記憶に…

そろそろ遺品を残そうか?

先日、学生指導(学生実習)が始まりました。 新しい職場での実習生。「どんな感じかなぁ…」とのんきに構えていましたが…。 実習初日にして、とんでもない事実に気付いてしまいました。 (うちの子と同い年やん…) 冷静に考えれば当然の出来事でなんら驚く要…