プロかもしんない
数年前。
とある小さな施設で働いていた頃のお話。
最近、職場(サ高住)で虫が出る。
「ゴ」とか「ゲ」とか「コ」とか「バ」とか、あと見たことない奴とか。
地球外生命体(昆虫)は大の苦手だ。
もうあれだ、
理解の範囲を超越している。
「外側が硬い」っつーのがもう……あれだ。(だから何だ)
自慢じゃないが、カブトムシで意識消失したこともある。
大概のことには動じないぐるりさん。
今までの人生で完全パニックに陥ったのはジェットコースターに乗ったときと、足に「ななふし」がとまった時。
どっちも死ぬかと思った。いやまじで。
なのに、今更気が付いた。
仕事中ならいける。
そういえばいつだったか、
面白いくらいヤバい環境(ご想像にお任せします)に住んでいる利用者宅を訪問しているとき。
自宅の電話が鳴ったけど、利用者は電話に手が届かない。
それで電話機ごと持ち上げて受話器を片手で渡そうとしたら、電話機の下からアレが大小20匹くらい
「ざわざわぁ~~」
っと出てきて、私の腕を縦横無尽に駆け回った。
片手で電話機本体を振り回し(あれを振り落とし)つつ
「受話器、早く取って…」
と、声を荒げることもなく利用者に渡した。
別のお宅では、
身体を拭こうとして家族から手渡されたタオルの中に、ペチャンコになったアレが挟まれていたが、声を上げることもなくそっとゴミ箱に捨てた。
また別のお宅では、
足浴で使ったバケツを洗おうと風呂場でブルーホースから水を出したら、水に押し出されて大物のアレが流れ出てきた事もあった。
「ひっ…」
と、一瞬息を飲んだが、冷静に排水口へと追いやった。
そんなこともあったなと、思い出した。
今日の仕事の帰り際、事務所でスタッフがワイワイ騒いでいた。
車椅子の入居者を居室まで誘導しようとしたら、室内に特大サイズのアレがいたと。
今日は男性スタッフが居ないから退治できないと、大騒ぎ。
(今どき男性だからといって女性より「あれ」に強いとは限らないが)
「んじゃ、しょぉがないなぁ〜。残業代請求しちゃうよ?」
と笑いつつ、居室へ直行。
ティッシュ2枚で一発で仕留め、汚物室でサヨナラ。
97のばあちゃん(この部屋の主)に「お見事♡」と手をたたかれた。
「ぐるりさん、凄い!!」
と、若いスタッフに羨望の眼差しで拝まれつつ退勤。
あれれ!?
これ、自宅だったら子供より先に私が野外に逃亡してるパターン。
ティッシュ2枚とか……うわっ!!きもっ!!あり得ねぇ~~!!!!!
ある意味、私プロじゃね?
この切り替え。プロフェッショナルじゃね?
帰宅の車中で、一瞬ニヤッとしたり顔をしつつ………。
「……っていうか、何のプロだっつーの」
と、一人ツッコミしてみました。
余談ですが、外側が柔らかいミミズ、ナメクジ、ヘビ、トカゲは大好きです♡